カビ調査・カビ検査のおすすめ業者7選|費用相場・検査キットとの違い・選び方

「店舗やオフィスでカビ臭いと苦情が来た」「保育園・介護施設の衛生管理記録にカビの数値を残したい」「掃除しても同じ場所にカビが戻ってくる」「カビは見えないのに部屋がカビ臭い」「除カビ工事の後、本当に減ったのか確かめたい」。
こういう悩みは、カビ取りだけでは原因が残り、同じことを繰り返しがちです。まず「どこに・どの種類のカビが・どれだけいるのか」を数値で把握する必要があります。それがカビ調査・カビ検査です。
ただ、カビ調査の業者は会社ごとに得意分野が違います。分析専門の機関もあれば、カビ取り施工まで一貫でやる会社もあり、価格も1箇所数千円から40万円以上まで幅があります。
この記事では、カビ調査・カビ検査を請け負う業者7社を、費用・納期・中立性・得意分野で比較し、目的別にどこへ頼むべきかを整理しました。
結論:カビ調査・カビ検査の選び方
- 費用の目安は、検体を送る同定検査が1試料2万円台〜、専門員による現地調査が十数万円〜、原因まで調べる調査が40万円〜
- 最初に決めるのは「分析専門機関(中立の報告書)」か「施工まで一貫(早く直す)」か
- 施設の衛生管理記録や苦情対応には、日本建築学会の基準(住宅の真菌 1,000 CFU/m³)と比べて判定できる分析機関が向く
- 市販の検査キットは当たりをつけるまで。安全かどうかの判断には、空気1m³あたりの菌数を測る検査が必要
- カビの測定そのものを義務づけた法令はない。ただし空調の排水受けや加湿装置の点検は建築物衛生法の対象
目次
カビ調査・カビ検査とは?業者に依頼すべきケース

カビ調査とカビ検査は似た言葉ですが、業者に頼むときは意味が分かれます。両者の違いと、自分で掃除するより専門業者に頼んだほうがよい状態を先に確かめておきます。判断を誤ると、費用だけかかって原因が残ります。
「調査」と「検査」の違い(現地調査/検体分析)
業者によって呼び方は揺れますが、実務上は2つに分かれます。カビ検査は、採取した検体(空気・壁の拭き取り・衣類など)を分析機関で培養・観察し、カビの種類や数を調べるものです。検体を郵送するだけで済む場合もあります。カビ調査は、専門員が現地に来て検体を採り、温湿度・含水率・気流なども測って「なぜ生えたのか」まで突き止めます。
検査は「今どうなっているか」を知る手段、調査は「なぜそうなったか」を突き止める手段です。再発を止めたいなら後者が必要です。
業者に依頼すべきケース(カビ臭・体調不良・除カビ後の再発・証拠・施設の記録)
次のいずれかに当てはまるなら、業者に依頼する価値があります。
- 目に見えるカビはないのに、部屋に入るとカビ臭がする
- 特定の部屋にいると咳・鼻水・目のかゆみが出る
- カビ取りをしても数か月で同じ場所に再発する
- 除カビ・防カビ工事をしたが、効果を客観的に確認したい
- 賃貸の原状回復や施工不良で、証拠として第三者の報告書が必要
- 施設(保育園・介護施設・食品工場など)で衛生管理の記録が必要
とくに「カビ臭がするのに見えない」状態は要注意です。カルモアは、この状態なら空気1立方メートルあたり1,000個以上のカビ胞子が浮遊していると見てよい、と説明しています。
また、湿ったところに生えるイメージのあるカビですが、労働安全衛生総合研究所は、乾燥を好む「好乾性カビ」が室内環境に多く存在し、アレルギーの原因になっていることが近年の研究で分かってきたと指摘しています。見た目が乾いた部屋でも、カビ臭や症状があれば検査する意味があります。
市販のカビ検査キットとの違い(できること・できないこと)
市販の室内カビ検査キットでできるのは「シャーレを一定時間置き、落ちてきたカビを培養する」落下法までです。
落下法は機器不要で手軽な反面、空気中の正確な菌数は測れません。粒子の大きいカビほど検出されやすいという偏りもあり、部屋間の比較や「安全かどうか」の判断には向きません。
業者が使うエアサンプラーは、一定量の空気を吸引して1立方メートルあたりの菌数を出せます。日本建築学会の基準と比較できるのはこちらだけです。「当たりをつける」なら市販キット、「判断材料にする」なら業者、と考えてください。
カビ調査の種類と分かること

業者のメニューは大きく「菌数を数える」「種類を特定する」「原因を探る」の3つに分かれます。目的に合わないメニューを頼むと、報告書をもらっても次の行動が決まりません。3つのメニューと、結果の読み方を順に見ていきます。
浮遊真菌測定(菌数測定):健康リスクの数値化
エアサンプラーで空気中のカビを採取し、培養してコロニー数を数える方法です。空気1立方メートルあたりの菌数(CFU/m³)で結果が出ます。
「今この部屋で生活して大丈夫か」「除カビ前後でどれだけ減ったか」を知りたいときの基本メニューです。比較対象として、外気や被害のない部屋も同時に採取する業者があります。
付着カビ・ふき取り調査(菌種同定):カビかどうか・有害性
壁・天井・家具などの表面を拭き取るか、寒天培地を押し当てて採取し、培養後に顕微鏡で属レベルまで種類を特定します。
「この黒ずみはカビなのかシミなのか」「生えているカビは有害な種類か」を知りたいときに使います。カビは種類によって生息条件が違うため、菌種が分かると発生原因の推定や対策の選択にも役立ちます。
発生原因調査(温湿度・含水率・気流):再発防止
菌数・菌種に加えて、温湿度計・含水率センサー・結露計・気流測定などで現場の空気環境を把握し、「なぜここにカビが生えたか」を解明する調査です。
博物館・図書館の資料保存向けにまとめられた文部科学省のカビ対策マニュアル(実践編)では、カビの発生しやすい資料の場合、温度25度・相対湿度70%でカビは数か月で繁殖し、90%ではわずか2日で目に見えるまで繁殖するとしています。同マニュアルのQ&Aでも、相対湿度が恒常的に65%を超えていないかの監視を最初の対策に挙げています。つまり原因調査とは、この「湿度が高くなる場所と理由」を特定する作業です。
地下室で湿度を変えられない、空調設備を変更できない、といった制約がある現場では、原因が分からないまま防カビ剤を塗っても、湿気の元が残ります。再発を止めたいなら、この調査が必要です。
調べる場所によって、見るポイントも変わります。
- 空調設備・エアコン:吹出口や内部、排水受け(ドレンパン)、加湿装置の汚れと、吹出口付近の空気を採取する。施設ではドレンパンと加湿装置は法令上の点検対象でもある。
- 床下:土台や大引きなど木部の含水率、床下の湿度、換気口の状態を測り、付着カビを採取する
- マンション・壁の中:結露しやすい北側の外壁面や押入れ・クローゼットの中、上階や配管からの漏水の有無を確認する。壁紙の裏まで調べるかどうかは、見積時に確認する
菌数の危険度ランク表(日本建築学会基準・業者独自指針)
室内の浮遊カビについて、国の法令上の基準値はありません。そのため業者は、学会の自主基準である日本建築学会の環境基準 AIJES-A0002-2013か、自社で設けた指針値で評価します。この基準は事務所・学校・住宅・病院など8施設について設計規準値と維持管理規準値を示したもので、住宅の真菌についても維持管理規準を提案しています。
日本建築学会基準(住宅の真菌):室内浮遊カビ数 1,000 CFU/m³以下を適合としています。衛生微生物研究センターなど分析専門機関がこの基準を採用しています。
カルモア独自指針:
| 評価 | 菌数(/m³) | 状況・健康被害の可能性 | 対策 |
|---|---|---|---|
| S | 10〜100 | 清潔/被害なし | 不要 |
| A | 100〜1,000 | 普通/ほぼ被害なし | できると良い |
| B | 1,000〜10,000 | 注意/弱っていると被害の可能性 | 必要 |
| C | 10,000〜 | 危険/健康でも被害の可能性 | 早急に |
どちらも「1,000 CFU/m³」が一つの境目です。報告書を受け取ったら、まずこの数字と比べてください。
報告書の読み方(外気との比較と主なカビの種類)
空気中のカビは屋外から常に入ってくるため、室内をゼロにすることはできません。そのため室内と同時に外気も採取し、両方を比べるのが一般的な方法です。室内の数値が外気より明らかに高ければ、室内のどこかに発生源があると考えるのが基本の読み方です。
検出されるカビの種類も確認してください。神奈川県衛生研究所によると、室内の空気中から最も多く検出されるのはクラドスポリウム属(いわゆるクロカビ)です。また、アスペルギルス属にはカビ毒をつくる種類も含まれます。菌数が同じでも、どの種類が多いかで対策の優先度は変わります。
建築物衛生法・HACCPとカビ測定の関係(施設・店舗向け)
施設の管理者が気になるのは「カビの測定は法律で義務なのか」という点です。カビ(真菌)の測定そのものを義務づけた法令はありません。ただし、関係する基準はあります。
- 建築物衛生法:建築物環境衛生管理基準では、空気環境として浮遊粉じん・一酸化炭素・二酸化炭素・温度・相対湿度(40〜70%)・気流・ホルムアルデヒドの7項目を、2か月以内ごとに1回測定します。カビは含まれません。一方、加湿装置や空調の排水受け(ドレンパン)は、使用開始時と使用期間中の1か月以内ごとに1回、汚れを点検することになっています。
- 対象の建物:義務がかかる特定建築物は、店舗・事務所など対象用途の延べ面積が3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)の建物です(東京都健康安全研究センター)。それより小さい建物でも、多くの人が使う建物は基準に沿った管理に努めることとされています
- 食品工場・飲食店(HACCP):落下菌の数値基準を含んでいた「弁当及びそうざいの衛生規範」などの通知は、HACCPの制度化に伴い2021年6月1日に廃止されました(厚生労働省)。基準値は事業者が衛生管理計画の中で自ら決める形になっています
- 学校・保育所:学校環境衛生基準の相対湿度は30%以上80%以下が望ましいとされ、カビの基準はありません。保育所の感染症対策ガイドラインは湿度60%を目安にしています
つまり施設では、法定の湿度の記録だけではカビの実態までは分かりません。苦情や再発が続く場所について、湿度の記録にカビの実測値を加えておくと、衛生管理の記録として説得力が増します。
カビ調査・カビ検査のおすすめ業者7選

公式サイトで調査内容・料金・納期を公開している6社を選び、最後に本記事を運営するカビゼロを加えました。施工まで手がける会社と分析専門の機関が混在しているので、各社の「得意分野」「費用目安」「こんな人向け」を同じ項目で並べています。価格は各社サイト記載の下限値です。
カルモア(調査〜防カビ施工まで一貫・大規模実績)
臭気対策・空気環境の専門会社(創業30年)で、カビ調査・分析・防カビ施工を一貫して手がけます。独自の「室内カビ指針値」でリスクを評価し、建築・施設管理会社からの依頼が多く、中〜大規模施設の防カビ施工実績が豊富です(1案件の最大施工面積133,400m²)。個人宅の調査・対策にも対応しています。
| 得意分野 | 発生原因調査(スクリーニング)、施設・建築管理会社向けの一貫対応 |
| 費用目安 | スクリーニング調査40万円〜/菌数測定20万円〜/菌種同定16万円〜/除菌・防カビ作業17万円〜 |
| 納期 | 調査1〜2日、報告書提出まで3週間程度(菌種同定のみなら2週間程度) |
| 対応エリア | 全国(東京都中央区) |
| こんな人向け | 施設管理者、原因究明から施工まで一社で完結させたい法人、裁判資料に使える報告書が必要な人 |
環境リサーチ(調査・分析・対策提案まで・報告書例を公開)
アスベスト・騒音・室内空気など環境調査全般を手がける分析会社です。カビ調査は「現状把握」「原因調査」「対策提案」の3段階で、自社開発のKRIセンサーや微粒子可視化装置を使った空気環境の把握が特徴です。
| 得意分野 | 浮遊真菌調査(日本建築学会基準との比較)、除菌工事前後の比較 |
| 費用目安 | 要見積(予算相談可) |
| 納期 | 分析のみなら採取から1〜2週間 |
| 対応エリア | 東京都八王子市を拠点 |
| 補足 | カビについては調査・分析と対策提案までで、除カビ施工のサービスは公式サイトに掲載していません(会社としては建設業許可を持ち、親会社は建設施工も手がけるトーヨーカネツ) |
| こんな人向け | 除カビ工事の効果を第三者に数値化してほしい人、報告書例をあらかじめ確認して依頼したい人(公式サイトで報告書例PDFを公開) |
NPO法人カビ相談センター(中立・検体送付で低価格)
カビ専門のNPO法人で、中立の立場で報告書を作成することを明示しています。衣類・食品・住宅の付着物を送るだけで「カビかどうか」「カビの種類」を調べてもらえるため、個人でも依頼しやすいのが強みです。
| 得意分野 | 検体送付による同定、健康影響の専門的知見に基づく報告 |
| 費用目安 | 同定検査22,000円〜/1試料(特急は+22,000円)/現地調査165,000円〜/1調査(交通費・宿泊費別) |
| 納期 | 試験1週間〜、報告書は試験終了後1週間前後。現地調査は終了後2〜3週間 |
| 対応エリア | 東京都大田区。遠隔地は依頼者への指示による調査となる場合もある |
| こんな人向け | 「この付着物がカビか確かめたい」個人、施工業者と利害関係のない報告書が欲しい人 |
一般社団法人微生物対策協会(1箇所単位の明朗料金)
カビなど微生物の試験・検査を行う協会で、落下菌検査・付着菌検査・空中浮遊菌検査の料金を公開しています。落下菌と付着菌は1箇所単位の料金なので、予算が立てやすいです。一般住宅からの依頼も多く受けています。
| 得意分野 | 落下菌・付着菌検査、空中浮遊菌検査、カビ予防の情報提供 |
| 費用目安 | 落下菌検査4,400円〜/1箇所、付着菌検査27,500円〜/1箇所、空中浮遊菌検査は基本44,000円+1箇所16,500円、報告書作成22,000円〜、現地調査費22,000円〜(いずれも税込、交通費実費) |
| 納期 | 訪問検査から10日前後 |
| 対応エリア | 名古屋を拠点(遠方対応は要問い合わせ) |
| こんな人向け | 費用を事前に計算したい人、まず落下菌で当たりをつけたい個人宅 |
衛生微生物研究センター(日本建築学会基準で評価・遺伝学的同定も可)
1996年創立のカビ・微生物専門の分析機関です。研究所は東京(葛飾区)にあり、大阪・福岡にもオフィスがあります。空中浮遊微生物分析試験では、エアサンプラーで100Lの空気を採取し、日本建築学会基準「AIJES-A0002-2013」で適合・不適合を判定します。カビは顕微鏡で形を見る形態学的同定に加え、DNAを調べる遺伝学的方法での同定にも対応します。
| 得意分野 | 除去前後の効果確認、製造現場の清浄度評価、詳細な菌種同定 |
| 費用目安 | 要問い合わせ(箇所数・同定の有無で変動) |
| 納期 | サンプリング後2週間程度 |
| 対応エリア | 東京(研究所)・大阪・福岡(オフィス)。出張サンプリングは最低5箇所から(うち1箇所は外気) |
| こんな人向け | 基準に照らした「適合/不適合」の判定が欲しい人、食品工場・製造現場 |
株式会社AHC(エアサンプラー貸出で自宅採取・郵送)
群馬県の検査機関で、食品の微生物試験でISO17025の認定を受けています(室内カビ検査が認定範囲というわけではありません)。エアサンプラーの貸出サービスがあり、自宅で採取して郵送すれば、培養・菌種同定・報告書作成まで対応してもらえます。現地に来てもらう必要がない分、遠方でも依頼しやすい仕組みです。
| 得意分野 | 家庭向け室内カビ検査の全国受託、拭き取り検査との組み合わせ |
| 費用目安 | 空中浮遊菌検査・エアサンプラー貸出は要見積(空間の広さ・検査内容で変動)。落下菌検査(真菌数)は1部屋2,000円〜 |
| 納期 | 空中浮遊菌検査は検体到着から4営業日が目安(機器の貸出期間は1週間) |
| 対応エリア | 全国(郵送対応) |
| こんな人向け | 業者の訪問を待たずに自分で採取したい人、地方在住で近くにカビ調査業者がない人 |
カビゼロ(無料の現地調査から除カビ・防カビ施工まで・神奈川/東京)
神奈川県と東京都でカビ取りを行う専門業者で、運営は本記事を掲載しているHACK MAN株式会社です。現地調査と見積もりは無料で、表面のカビに加えて壁の内部やエアコン内部のカビの有無まで確かめ、除カビ・防カビコーティング・クロス張り替えまで自社で施工します。浮遊菌の測定や菌種同定といった検体分析は公式サイトに記載がないため、数値の報告書が必要な場合は上の分析専門の機関と組み合わせてください。詳しくはカビゼロのサービス内容と料金表に載せています。
| 得意分野 | 住宅・施設のカビの除去と再発防止の施工(現地調査→除カビ→防カビコーティング→クロス張り替え) |
| 費用目安 | 現地調査・見積もりは無料。施工は最低料金70,000円+税(税込77,000円・防カビ込み)、面積1㎡あたり2,500円(税込2,750円) |
| 納期 | 施工は現場の広さによる(公式の施工事例では半日〜2日) |
| 対応エリア | 神奈川県全域・東京都全域(23区・多摩地域) |
| こんな人向け | カビの範囲を現地で確かめ、そのまま除去と再発防止まで任せたい人(数値の検査報告書が要らない人) |
おすすめ業者の比較一覧表

7社を価格・納期・採取方式・中立性の4軸で一覧にしました。最低価格はメニューが異なるため単純比較はできませんが、「郵送で済むか」「施工を売る会社か」はここで見分けられます。詳細は上の各社の項目を参照してください。
| 業者 | 種別 | 最低価格の目安 | 納期 | 現地/郵送 | 施工の有無・中立性 |
|---|---|---|---|---|---|
| カルモア | 調査+施工 | 菌種同定16万円〜 | 2〜3週間 | 現地 | 施工まで一貫 |
| 環境リサーチ | 調査・分析 | 要見積 | 1〜2週間 | 現地 | カビ施工の掲載なし |
| カビ相談センター | 分析専門(NPO) | 同定22,000円〜 | 2週間前後 | 郵送・現地 | 中立を明示 |
| 微生物対策協会 | 分析専門 | 落下菌4,400円〜/箇所 | 10日前後 | 現地 | 施工なし |
| 衛生微生物研究センター | 分析専門 | 要問い合わせ | 2週間程度 | 現地(5箇所〜) | 施工なし |
| AHC | 分析専門 | 浮遊菌は要見積 | 4営業日〜 | 郵送(機器貸出) | 施工なし |
| カビゼロ | 除カビ施工(現地調査は無料) | 施工は税込77,000円〜 | 施工は半日〜2日(事例) | 現地(神奈川・東京) | 施工まで一貫(本記事の運営会社) |
※価格はすべて各社公式サイト記載の「〜」表記の下限です。報告書作成費・交通費が別途かかる業者もあります。
カビ調査・検査の費用相場

カビ調査の費用は「検体を送るだけ」なら2万円台、「専門員が現地で原因まで調べる」なら40万円以上と、同じ言葉でも桁が変わります。6社の公開価格から、項目別の相場、金額が変わる要因、個人宅と法人の違いを見ていきます。
項目別の目安(同定2万円台〜/菌数測定20万円〜/原因調査40万円〜)
6社の公開価格を項目別に並べると、相場はおおむねこうなります。
- 検体を送って同定してもらう:1試料22,000円〜(カビ相談センター)
- 落下菌検査:1箇所4,400円〜(微生物対策協会)
- 付着菌検査(現地採取):1箇所27,500円〜(微生物対策協会)
- エアサンプラーによる菌数測定(法人向け一式):200,000円〜(カルモア)
- 現地調査一式:165,000円〜(カビ相談センター)
- 発生原因調査(スクリーニング):400,000円〜(カルモア)
数万円で済むのは「検体を送る」か「落下菌を数箇所」まで。専門員が現地に来てエアサンプラーで測り、原因まで解明する調査は10万円台後半から40万円以上が相場です。
費用が変わる要因(採取箇所数・面積・特急・出張費)
同じ「菌数測定」でも、金額を動かすのは主に4つの要素です。
- 採取箇所数:箇所や試料の数で金額が決まる業者では、部屋数・面積に比例して増える。比較用の外気・健全な部屋の採取も箇所数に含まれる
- 同定の有無:菌数だけか、種類まで特定するかで費用が変わる
- 納期:カビ相談センターは特急で+22,000円/1試験
- 出張費・交通費:現地に来てもらう場合は実費別途の業者が目立つ。遠方ほど負担が大きい
個人宅と法人・施設での価格差
カルモアは個人宅にも対応していますが、20万円〜・40万円〜という価格は調査一式の金額です。予算を抑えたい個人宅なら、カビ相談センターや微生物対策協会のように箇所単位・試料単位で頼める業者を選べば、5万円前後に収まる場合もあります。
逆に、裁判資料や施設の衛生管理記録に使う場合は、報告書の体裁と実績が優先されるため、価格よりも「誰が書いた報告書か」で選ぶべきです。
施設で発注する場合は、採取箇所が多くなるぶん費用も上がります。たとえば微生物対策協会の公開単価(空中浮遊菌検査 基本44,000円+1箇所16,500円、報告書作成22,000円〜、現地調査費22,000円〜)で5箇所を測ると、試算で170,500円〜(交通費別)です。衛生微生物研究センターのように、出張サンプリングを最低5箇所(うち1箇所は外気)から受ける機関もあります。
稟議や相見積もりに使うなら、見積書で次の項目が分かれているかを確認してください。
- 調査費・検査費(分析費)・報告書作成費・交通費の内訳
- 採取箇所を1つ増やしたときの単価
- 工事後の再測定の費用
- キャンセル料の条件
- 報告書のサンプルと、測定機器の校正証明書を出せるか
内訳を公開している業者の例として、ハーツクリーンは基本198,000円(税抜)を調査費・検査費・報告書作成費・交通諸経費に分けて示し、追加検体の単価や校正証明書の料金も掲載しています。
カビ調査業者の選び方5つのポイント

価格だけで選ぶと、報告書が目的に使えなかったり、必要以上の工事を勧められたりします。依頼前に確認すべきことを5つに絞りました。最初の「調査のみか施工一貫か」が決まれば、残りの4つは確認しやすくなります。
調査のみか、除カビ・防カビ施工まで一貫か(中立性 vs ワンストップ)
最初に決めるべき軸です。
- 分析専門機関(カビ相談センター、微生物対策協会、衛生微生物研究センター、AHC。カビの施工サービスを掲載していない環境リサーチもこちら寄り):施工を売らないので、「必要以上の工事を勧められる」心配がない。第三者証明として使いやすい
- 施工一貫業者(カルモア):検査結果がそのまま施工計画に繋がり、施工後の再測定まで一社で完結する
「まず実態を知りたい」「賃貸トラブルの証拠が欲しい」なら前者、「早く直したい」なら後者です。
報告書の内容(採取位置図・写真・考察・裁判資料に使えるか)
報告書に何が載るかは業者で差があります。環境リサーチは調査概要・分析結果・考察・採取位置図・採取状況写真を掲載し、公式サイトで報告書例のPDFを公開しています。カビ相談センターは中立の立場での作成を明示、カルモアは裁判資料として使われた実績を挙げています。
依頼前に「報告書のサンプルを見せてください」と聞いてください。見せられない業者は候補から外して構いません。
施設・店舗では、報告書を次のような場面で使います。どれに使うかを依頼時に伝えておくと、必要な記載(採取位置・比較対象・考察)を合わせてもらえます。
- 従業員・利用者・来店客からの健康不安やにおいの苦情に、数値で回答する
- 保健所の立入や本部の監査に備え、衛生管理の記録として残す
- オーナー・テナント・施工会社の間で、原因が建物側か使い方側かを切り分ける
- 改修や設備更新の予算を申請する根拠にする
- 除カビ・防カビ工事の後に、効果を数値で確かめる
分析機関の有無と納期
自社ラボを持つ業者(衛生微生物研究センター、AHC、微生物対策協会)は納期が読みやすく、AHCの浮遊菌検査なら4営業日、ほかは10日〜2週間が目安です。外部の分析機関に出す業者は3週間程度かかることがあります。引き渡し日や工事日が決まっているなら、納期を先に確認してください。
対応エリアと出張費
カビゼロを除く6社は東京・群馬・名古屋に拠点が集中しています。地方の場合、出張費・交通費が別にかかるため、AHCのように機器を借りて自分で採取・郵送する方式や、カビ相談センターのように検体送付で受けてもらえる方式が現実的です。
実績(施設規模・事例公開)
大規模施設ならカルモアのように施工面積の実績を公開している業者、住宅なら環境リサーチのように築60年校舎・高層マンション・木造戸建てといった事例を公開している業者が安心です。事例が1件も公開されていない業者は、経験値を確認してから依頼してください。
カビ調査の依頼から報告までの流れ

初めて依頼する人が不安になるのは「何を準備すればいいか」「いつ結果が出るか」です。6社の公開情報を突き合わせると、問い合わせから報告書までの流れは似通っています。各段階で依頼者がやることも添えました。
ヒアリング→見積→現地採取→分析(1〜3週間)→報告書
細部は業者で違いますが、大きくは5つの段階です。
STEP
ヒアリング
症状・場所・目的(健康不安か証拠か効果確認か)を伝える。平面図や写真を求められる場合がある
STEP
調査方法の提案と見積
採取箇所数・同定の有無・出張の有無で金額が決まる
STEP
現地採取または検体送付
エアサンプラー・拭き取り・寒天スタンプなど。被害部屋のほか、比較用に外気や被害のない部屋も採取する
STEP
培養・分析
1〜2週間。原因調査の場合は温湿度・含水率データと併せて考察する
STEP
報告書提出
採取から数日〜3週間(多くは10日〜3週間)。必要に応じて対策提案がつく
ヒアリングの段階で「何のために調べるのか」を明確に伝えるほど、無駄な箇所数を減らせます。
施設・店舗で依頼するときの段取り(営業を止めないために)
店舗やオフィス、保育園・介護施設で調査する場合は、営業や利用者への影響を抑える段取りが必要です。見積の段階で4点を確認・準備しておくと、当日の手戻りを減らせます。
- 採取の日時:営業時間外や休業日に採取できるか(対応可否は業者ごとに異なるため見積時に確認)
- 立会い者と資料:鍵の管理者・設備担当の立会い、平面図、空調・換気設備の図面や運転スケジュール
- 比較の条件:除カビ工事の前後で比べるなら、空調の運転状態・時間帯・季節をできるだけそろえる
- 報告書の提出先:本部・オーナー・保健所など、誰に出すかを先に伝え、必要な記載項目を合わせてもらう
条件をそろえる理由は、同じ場所でも測る時間帯や季節で空気中のカビの数が変わるためです(神奈川県衛生研究所)。条件が違う2回の測定値は、単純に比べられません。
自分でできるカビ検査(キット・送付検査)

業者に来てもらう前に、自分でできる範囲もあります。数千円の市販キットで当たりをつける方法と、検体や空気を郵送して専門機関に分析してもらう方法です。それぞれの限界を知った上で使えば、業者依頼の費用を抑えられます。
市販キットの使い方と限界
市販の室内カビ検査キットは、シャーレ型の培地を床や棚に一定時間開放し、落ちてきたカビを数日培養してコロニー数を見るものです。数千円で買えて手順も簡単です。
ただし、結果は「コロニーが多いか少ないか」の相対評価にしかなりません。1立方メートルあたりの菌数は出ないので、日本建築学会基準やカルモアの指針値とは比較できません。「隣の部屋より明らかに多い」といった当たりづけに留めてください。
検体送付だけで同定してもらう方法
「この黒ずみがカビか知りたい」「衣類や食品に生えたものの種類を知りたい」だけなら、業者に来てもらう必要はありません。
カビ相談センターは付着物を送れば1試料22,000円〜で同定してくれます。AHCはエアサンプラー自体を貸し出しているので、自宅で空気を採取して郵送すれば、業者訪問なしで定量的な菌数まで分かります。
カビ調査・カビ検査に関するよくある質問

検索でよく一緒に調べられている疑問を10個取り上げました。費用・日数・賃貸での負担・定期測定・保健所など、依頼前に引っかかりやすい点です。「cavi検査」という似た名前の医療検査との混同についても触れています。
まとめ:目的別のおすすめ業者

カビ調査業者選びは「何のために調べるか」で決まります。7社はそれぞれ得意分野が違うので、価格順に並べるより目的から逆引きしたほうが早く決まります。目的別の依頼先と、調査後の湿度の目安を載せておきます。
- この付着物がカビか知りたい → カビ相談センターに送る(22,000円〜)
- 部屋の空気が安全か数値で知りたい → 微生物対策協会の空中浮遊菌検査(基本44,000円+1箇所16,500円)か、AHCの機器貸出で自宅採取
- 除カビ工事の効果を第三者に証明してほしい → 環境リサーチ、衛生微生物研究センター
- 原因を突き止めて施工まで一気に終わらせたい → カルモア
- 神奈川・東京で、カビの除去と再発防止まで任せたい → カビゼロ(現地調査・見積もりは無料)
- 施設の衛生管理記録・苦情対応に使いたい → 衛生微生物研究センターなど、基準と比べて判定できる分析専門機関
- 裁判・賃貸トラブルの証拠にする → 施工を売らない分析専門機関の報告書
調査結果を受け取った後の予防も忘れないでください。東京都保健医療局は、ダニ・カビを増やさないために壁や床に近い場所の湿度を60%以下に保つことを勧めています。
分析専門機関に頼めば数値と中立性が得られ、施工一貫業者に頼めば解決までの速さが手に入ります。どちらが欲しいかを先に決めておくと、7社から選びやすくなります。

